システムオペレーター 松浦 慎悟

私は平成13年4月に入社しました。現在は金融系の共同利用型システムのオペレーションを行っています。実際に商用で稼働しているものではなく、開発グループが作ったシステムを本稼働させる一段階前で運用し、不具合がないかなどを調べる作業です。システム規模がとても大きいため、リリース後に何か問題があれば一大事ですから、慎重を極める作業であると言えます。システムに新しい金融機関の加入が決まると本稼働に乗せるまで約1年かかるのですが、導入の始まりから終わりまでを見届けられる事はもちろん、本稼働前は夜を徹した24時間体制での試験運転があるので、実際稼働した時の喜びはひとしおです。
この5年間、開発グループが作ったシステムに従い運用作業を行ってきました。
私が担当している作業のひとつに、「システムに更新をかける」というものがあります。(※1)JCLを作成し更新をかけるのですが、一文字間違えるだけで大きなオペレーションミスにつながるので、常に緊張感を持って仕事を行っています。この緊張感が大きな責任感につながり、仕事に充実感を与えてくれるのです。
最初の頃は手順書通りにコマンドを打っていただけで、その作業がどのような意味を持ち、何につながっているのか全くわかりませんでした。しかしこの1、2年はただ単に運用するのではなく、JCLの中身を自ら確認し、システムにどのような情報を流し、どのような動作をしているのかを意識して作業をしてきました。目標であるエンジニアに少しでも近づくためです。他にも「情報処理技術者」や「初級アドミニストレーター」などの資格を取得するための勉強をしています。

また、以前はトラブルが起きた時に慌ててしまい、障害の原因を発見する作業ができませんでした。しかし、今は落ち着いてトラブルにも対応できるようになりました。まさに経験のなせる技、技術的にも、精神的にも成長を感じる瞬間です。後輩もできて教育係をしていますので、より気を引き締めないといけません。将来的にはリーダーシップをとって、人材の育成にも挑戦したいです。

さらに精神面でいうと、この5年で社会人としても成長できと感じでいます。私は、「社会人として働く」ことは即ち「責任を持って最後までやり遂げる」ことだと思っています。現在の職場はシフト制で、忙しい時には24時間体制で回しますので、一人でも欠ければ大変な事態に陥ります。そのために風邪をひいていない時でもマスクをする、飲み過ぎたりしない、体力不足にならないように休みは運動するなどの体調管理を徹底しています。新人で勤務したての頃、ちょうどシステムの立ち上げ時期に重なり、本当に大変な思いをしましたが、この仕事を通して肉体的にも、精神的にも安定する事の重要さを実感して身に付けられたように思います。
エンジニアは現場が変わる度に、それぞれの職場で様々な人たちとともに働きます。ひとつのシステムをいろいろな企業の方々と作ることも多く、コミュニケーション能力は必須です。自分から話しかけるよう心掛けたり、わからないことは積極的に質問するようにしてください。技術力はもちろん大切ですが、それ以上に一人の人間としての技量も問われるやりがいのある仕事だと思います。

(※1)JCL…Job Control Languageの略でシステムを制御する命令